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スマホ・PCの「集中モード」で通知を強制オフ!仕事に集中する環境を作る

Tags: 通知管理, 集中力, 生産性向上, 設定, 集中モード

通知に邪魔されず、仕事に没頭するための強力な味方

日々の業務において、メールやチャット、様々なアプリからの通知に追われ、本来集中すべきタスクから注意をそらされてしまうという経験は多くのビジネスパーソンにとって共通の悩みではないでしょうか。通知が表示されるたびに思考が中断され、再び作業に集中するまでに時間を要するため、生産性の低下や疲労感につながります。

こうした「通知の洪水」から脱出し、集中できる環境を意図的に作り出すためには、通知を「見ない」という強い意志だけでは限界があります。物理的、あるいはシステム的に通知を一時的に遮断する仕組みを活用することが、非常に効果的です。

そこで今回は、お手持ちのスマートフォンやPCに標準搭載されている「集中モード」や「おやすみモード」といった機能を活用し、業務中の通知を強制的にオフにして集中力を高めるための具体的な方法をご紹介します。これらの機能を正しく設定し、活用することで、通知による中断を劇的に減らし、本来業務に集中できる時間を確保できるようになります。

集中モード・おやすみモードとは

「集中モード」や「おやすみモード」は、特定の時間帯や状況に応じて、デバイスからの通知(着信音、バイブレーション、画面表示など)を一時的に制限するための機能です。これにより、会議中や作業に集中したい時など、通知による邪魔を防ぐことができます。

単に音を消すだけではなく、通知そのものを表示させなくしたり、特定の人からの連絡だけを許可したりといった詳細な設定が可能な場合が多く、自分の働き方に合わせて柔軟にカスタマイズできます。

多くのOSやデバイスに搭載されており、特別なツールを導入する必要はありません。既存の環境で手軽に実践できる点が大きなメリットです。

各OSでの基本的な設定方法

ここでは、主要なOSにおける集中モードまたはそれに類する機能の基本的な設定手順を解説します。お使いのデバイスに合わせて設定を進めてみてください。

Windows 10/11: フォーカスアシスト

Windowsには「フォーカスアシスト」(旧称:集中モード)という機能があります。

  1. タスクバーの右端にある通知アイコン(アクションセンター)をクリックします。
  2. 表示されたアクションセンターで、「フォーカスアシスト」のボタンを探します。
  3. クリックするたびに、「オフ」→「優先順位のみ」→「アラームのみ」とモードが切り替わります。業務に集中したい場合は「アラームのみ」を選択すると、ほとんどの通知が表示されなくなります。
  4. 詳細な設定を行う場合は、アクションセンターからフォーカスアシストを右クリックし、「設定を開く」を選択するか、Windowsの設定画面から「システム」>「集中モード」(Windows 10の場合は「フォーカスアシスト」)へ進みます。
  5. 設定画面では、特定の時間帯に自動でオンにしたり、特定のアプリを使用中にオンにしたり、どの通知を許可するか(優先順位リスト)を設定したりできます。まずは「アラームのみ」モードを試してみるのが簡単です。

macOS: 集中モード

macOS Monterey以降では「集中モード」という名称になっています。以前は「おやすみモード」と呼ばれていました。

  1. メニューバーにあるコントロールセンターアイコンをクリックします。
  2. 「集中モード」をクリックします。
  3. 定義済みの集中モード(「おやすみモード」「仕事」「パーソナル」など)が表示されます。リストから「おやすみモード」や事前に設定した仕事用の集中モードを選択するとオンになります。
  4. 集中モードをカスタマイズしたり新しく作成したりするには、「集中モード」の下部にある「集中モード設定...」を選択するか、システム設定から「集中モード」へ進みます。
  5. 設定画面では、許可する通知(人、アプリ)、集中モードを有効にする条件(時間、場所、アプリ)、デバイス間での共有などを細かく設定できます。業務中は「通知を許可するアプリ」や「通知を許可する人」を最小限に絞る設定が有効です。

iOS/iPadOS: 集中モード

iPhoneやiPadでもmacOSと同様に「集中モード」を利用できます。

  1. コントロールセンターを開きます(画面右上隅から下にスワイプ)。
  2. 「集中モード」ボタンをタップします。
  3. 利用可能な集中モード(「おやすみモード」「仕事」「睡眠」など)が表示されます。設定済みの仕事用集中モードを選択するか、「おやすみモード」をタップしてオンにします。
  4. 詳細な設定や新しい集中モードの作成は、設定アプリから「集中モード」へ進みます。
  5. 各集中モードについて、通知を許可する人やアプリ、特定の画面を表示する設定、自動的に有効になる条件などを設定できます。仕事用の集中モードでは、ビジネスチャットやカレンダー通知など、業務上どうしても必要な通知だけを許可し、その他の通知はオフに設定するのが一般的です。

Android: おやすみモード (サイレントモード)

Androidデバイスでは「おやすみモード」や「サイレントモード」と呼ばれます。メーカーやAndroidのバージョンによって名称や設定方法が若干異なる場合があります。

  1. 画面上部から下にスワイプしてクイック設定パネルを開きます。
  2. 「おやすみモード」または「サイレントモード」のアイコンを探してタップし、オンにします。
  3. 長押しすると詳細設定画面に進める場合があります。
  4. 設定アプリから「音とバイブレーション」>「おやすみモード」へ進むと、より詳細な設定が可能です。
  5. 「人物」(特定の人からの電話やメッセージを許可)、「アプリ」(特定のアプリからの通知を許可)、「アラームとその他の割り込み」などを設定できます。業務中の集中を妨げないよう、許可する対象を厳選することが重要です。

より効果的に活用するための実践のコツ

集中モードやおやすみモードを設定するだけでなく、効果的に活用するためにはいくつかのコツがあります。

  1. 利用シーンを明確にする: 「このタスクに取り組むときはオンにする」「毎日〇時から〇時までは仕事用の集中モードにする」のように、いつ集中モードをオンにするかを事前に決めておくと習慣化しやすくなります。
  2. 許可する通知を厳選する: 全ての通知をオフにすると、緊急の連絡を見逃すリスクがあります。家族や直属の上司からの連絡、あるいは業務上必須の特定のアプリからの通知のみを許可するなど、必要最低限の例外を設定することをお勧めします。
  3. 自動化を設定する: 会議の予定が入っている時間帯や、毎日決まった作業時間帯など、自動的に集中モードがオンになるように設定しておくと、切り替え忘れを防げます。特定のアプリ(例: プレゼンテーションツール、特定の開発ツール)を開いている間だけオンにする設定も便利です。
  4. チームに周知する: チームメンバーに「〇時までは集中タイムのため、チャットへの応答が遅れます」などと伝えておくと、コミュニケーション上の誤解を防ぐことができます。
  5. デバイス間で連携させる: Apple製品のように、一つのデバイスで集中モードをオンにすると、他のデバイスでも自動的にオンになるように設定しておくと、デバイスを跨いでの通知中断を防げます。

まとめ

スマートフォンやPCの集中モード・おやすみモードは、通知による中断を防ぎ、業務への集中力を高めるための強力で手軽なツールです。基本的な設定を行うだけでも、通知に気を取られる回数を大幅に減らすことが期待できます。

まずは、お使いのデバイスでこの機能を探し、簡単な設定から試してみてください。「アラームのみ」や「おやすみモードをオンにする」といった基本的な操作だけでも、集中できる時間を確保する第一歩となります。

設定に少し慣れてきたら、許可する通知をカスタマイズしたり、特定の時間やアプリの使用に合わせて自動でオンになるように設定したりと、さらに自身の働き方に合わせて最適化を進めることができます。

通知に邪魔されない意図的な時間を作り出すことで、業務効率が向上し、精神的なゆとりも生まれるはずです。今日から集中モードを活用して、通知の洪水から脱出する一歩を踏み出しましょう。